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オンナゴコロのくすぐりドコロ 第6回:おうちごと

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家事を楽しむことが今、ひそかなトレンドになっているようです。ちょっと前までやれフェスだ、やれライブだ、と外へ外へと出かけていた人に限って内へ内へと真逆へ突き進み、料理、洗濯、掃除などにいそしんでいる模様。

それらは言ってしまえばただの「家事」ですが、あえて「おうちごと」というほうがしっくりくるかもしれません。義務的なニュアンスのある「家事」という言葉よりも「おうちごと」と親しみをこめて、趣味のように楽しそうに語るほうが、心地いい。

フェスやライブなどのイベントもハレ感はあって楽しいけれど、そのベースとなるのは、やっぱり日々の暮らし。そしておうちごとは全ての人の関心ごととして成立するから、一人暮らしの人も主婦も、あるいは独身も子持ちも、一緒に楽しく盛り上がれる話題でもあるのです。

世の中的な流れでいうと、近藤麻理恵(通称こんまり)さんによる「人生がときめく片づけの魔法」などの大ヒットによって、部屋のお掃除・整理整頓が見直されたことは、人々の関心の目を、家の外から家の中へ戻すことを手助けしたのかもしれません。

最近はネットの傾向を観察していても、例えばお掃除の一工夫…収納の仕方やお掃除ガジェットについて書くブログ記事は好感触だというし、暮らしに関するメディアは次々立ち上がっているし、人気のレシピブロガーさんやインスタグラマーさんは今やテレビに雑誌に引きも切らず。

友人が洗濯洗剤や柔軟剤をわざわざ海外から輸入し、まるでコスメを選ぶかのように、「次は何を買おうかな」と楽しんでいるのを見てると、「おうちごと」がエンタメ化していることの実感が湧いてきます。

私はこの「おうちごと」ブームを楽しんでいる一人で、松浦弥太郎さん(9年間「暮しの手帖」の編集長をつとめた後、昨年クックパッドに入社し、「くらしのきほん」というメディアを運営中)やインスタグラムでの4コマレシピブームを作った「北欧暮らしの道具店」さんを日々閲覧し、自分のおうち時間への気持ちを高めています。

一過性の遊びと違い、おうちごとは日々のことだからこそ、積もっていく感じがしてそこが、すごく良いのです。ギャルママがブームになった時代に、女性誌が「節約、家事、子育て」を特集して売り上げを伸ばしたと聞きましたが、この「おうちごと」のじわじわしたブームをどう取り入れるかという視点は、ビジネスに好機を呼び込むかもしれません。