【ヘアカラーの基礎知識】失敗しないブリーチ施術のための基本マニュアル
ハイトーンカラーやポイントカラーなど、ブリーチ需要が高まっています。
しかし「狙ったレベルまでブリーチできない」、「ムラができてしまう」、「ダメージが怖い」などブリーチ施術に関する悩みは多いですよね。
しっかり・キレイにブリーチするために、抑えるべきポイントをまとめました!
INDEX
- なぜブリーチが必要なのか?
- 求める色味に併せ、どの明るさまでブリーチするかを決定する
- ブリーチ施術の基本手順
- しっかりブリーチするポイント
- ブリーチ後のダメージを防ぐポイント
- ブリーチ後のカラーの染まりを安定させる方法
なぜブリーチが必要なのか?
日本人の髪は黒いので、そのまま色をのせても、色味がキレイに出てきません。
ベースの色によって、同じ色でカラーリングしても仕上がりの色は全く違ってくるため、ベースを明るく整える必要があります。
ブリーチ無しのワンメイクカラーでも、明度の高いカラー剤と6%2剤を使用することで髪を明るくしながらカラーリングできますが、14Lv以上の明るさにするには一旦ライトナーやブリーチ剤で髪の色素を抜く必要があります。
同じ色でカラーリングしても、元の髪色で色が全然違ってくる!
求める色味に併せ、どの明るさまでブリーチするかを決定する
求める色味に対して、ブリーチでどこまで明るくするかが重要になってきます。
ブリーチオンカラーの場合は16~18Lvにブリーチすることが多いです。
ブリーチは髪に負担がかかりますので、求めるデザインと髪質やダメージの状態によって、どのLvまで狙うかを決定しましょう。
【透明感のあるミルキーベージュカラー】16Lvまでブリーチしてオンカラー
ミルキーベージュカラーの透明感が出るように、16Lvまでブリーチしてから、残った黄味を消す紫系とグレージュと淡さを出すクリア剤をMixしたレシピでオンカラーします。
Before
10Lv
レシピ
STEP1 16Lvまでブリーチ
MMブリーチパウダー:2剤6%=1:3 20分放置
(トリートメントKPXを使用してケアブリーチ)
STEP2 オンカラー
イロリドI-9BV:イロリドI-9Gr:トリートメントティントClear=10:10:4(2剤2%) 20分放置
1剤:2剤は1:1で使用
【ペールトーンのピンクカラー】18Lvまでブリーチしてオンカラー
リタッチ後、全体の明度を上げるためにブリーチ剤を再塗布して18Lvまでベースを整えます。オンカラーでは濃く発色するピンクにクリア剤を混ぜることでペールトーンのピンクに仕上げます。


Before
新生部3cm、既染部17Lv
レシピ
STEP1 18Lvまでブリーチ
MMブリーチパウダー:2剤6%=1:3
※根元を1㎝空けた新生部→既染部→根元1㎝の順番に塗布し、20~30分放置
STEP2 オンカラー
イロリドI-9P:トリートメントティントClear=3:1(2剤2%)
※1剤:2剤は1:1で使用。20分放置
【シルバー】18Lv以上ブリーチしてオンカラー
バージン毛から2回しっかりブリーチします。ベースを白っぽくした方がキレイなシルバーになりますが、ブリーチだけでは完全に黄味が抜けた白になることはありませんので、できるだけ明るく薄い黄色にした後に、薄い紫色を補色として使い、黄味を打ち消します。
Before
カラー履歴なし(バージン毛)
レシピ
STEP1 ブリーチ2回で18Lv以上に
①ブリーチ1回目 ※塗布量を増やし、30分放置で強めにリフトアップ
MMブリーチパウダー:2剤6%=1:3
②ブリーチ2回目 放置30分
MMブリーチパウダー:2剤6%=1:3
※ブリーチ時間は状態を見て、5~30分の間で調整
STEP2 オンカラー
イロリドI-9Si:イロリドI-9BV:イロリドI-9Gr:トリートメントティントClear=2:3:2:7(2剤2%)15分放置
1剤:2剤は1:1で使用
ブリーチの施術の基本手順
ブリーチ回数や時間を調整
1回のブリーチは5~30分で間で、希望の明るさになっているかを確認しながら放置時間を調整します。
30分経過すると薬剤のパワーが落ちますので、さらに明るくしたい場合は「新しく薬剤を作って」再塗布します。
髪へのダメージや頭皮への影響を考えブリーチ回数は多くても3回以内にしてください。
ブリーチ剤:2剤との混合
基本はブリーチ剤:6%2剤=1:3で使用します。
※塗布に時間がかかると想定される場合、ブリーチ力のスピード感を落とす薬剤設計として2剤4%を選択し、塗り始めと塗り終わりの色抜けの差を少なくする方法もあります。
※パワーを上げて1回でできるだけ削りたい時、2剤比率を少なくして、ブリーチ剤:6%2剤=1:2~2.5で使うこともあります。
ただし、その分粉っぽくなりますので、操作性の観点でフルヘッドではオススメしません。
ホイルワーク/ポイントブリーチの時のパワーをあげたい時にのみ使用してください。
ブリーチ施術の前に
・必ず手袋をして施術してください。
・事前に頭皮の保護ローションをご使用ください。
ブリーチに関する基本的な注意点
・ご使用の前に「使用説明書」を最後までよく読んで、正しくお使いください。
・今までに本品に限らず過硫酸塩(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど)でかぶれたことのある方、あるいはかぶれ、じんま疹(かゆみ、発疹、発赤)あるいは気分の悪さ(息苦しさ、めまい等)を経験したことのある方は絶対に使用しないでください。
・使用中に異常を感じた場合には、直ちに薬剤を洗い流し、その後も異常を感じる場合には医師の診療をうけてください。
※ブリーチ剤については「日本ヘアカラー工業会」のホームページもご参考ください。
しっかりブリーチするポイント
ブリーチを成功させるポイントは、素早く、ムラなく、新鮮な薬剤をたっぷりと塗って、きちんと時間を置くことです。
逆に言えば、これができないと失敗してしまいます。
①ベースをしっかり混ぜる
ムラなくブリーチするには薬剤も均一にしておく必要があります。
ブリーチパウダーと2剤を混ぜたら、しっかりとよく混ぜてください(目安は120回ぐらい!)
②素早く塗る
2剤とMixして時間が経つとブリーチのパワーはだんだん弱まってきますので、混ぜた薬剤を素早く塗布するのがとても大切です。
塗り始めと塗り終わりの部分のタイムに10分以上ギャップがでないように塗布してください。
時間がかかりすぎると、その間にブリーチのパワーが弱まり、求めるレベルに達しなかったり、ムラの原因になります。
③たっぷり塗る
しっかりブリーチし、ムラをなくすために、髪が薬剤に包み込まれるイメージで、ひたひたになるくらいたっぷり塗布します。
④明るくなりにくいところ、明るくしたいところから塗る
ブリーチ効果は温度による影響を非常に受けやすく、根元は体温の影響でブリーチ効果が高くなります。
ですので、初めは根元から少し離れたところから毛先に向かって塗布し、最後に根元を塗布してください。
⑤ブリーチ時間は求めるレベルまでしっかりと。ただし30分以内
きちんと時間を置くことで、しっかりとブリーチできます。
ダメージを怖がって途中でやめてしまうと、また最初からブリーチし直すことにもつながりますので、20~30分しっかり時間を置いてブリーチしてください。
ただし、30分経過すると薬剤のパワーが落ちますので、さらに明るくしたい場合は「新しく薬剤を作って」再塗布します。
ブリーチ後のダメージを防ぐポイント
ブリーチ施術には髪や頭皮へのダメージは避けられません。
ダメージをできるだけ防ぐためには下記の点に気を付けてください。
- 事前処理でダメージを抑える
- コーミングはできるだけしない(テンションをあまりかけないように)
- ブリーチ後はしっかりシャンプー+事後処理を行う
ダメージを防ぐこともですが、お客さまの髪の状態に併せてブリーチがどの程度まで可能かを見極めることも大切です。
明るくブリーチしたい場合も、事前ダメージの状態によっては、求める明るさまでブリーチをしない、またはブリーチそのものをしないという選択もあります。
ダメージが気になる場合はケアブリーチを!
プレックス系のトリートメントをブリーチ施術に組み合わせて使用することで、髪を補修しながらブリーチを行うことが可能です。
以下のような場合使用をオススメします。
- カラーを繰り返している
- ブリーチ履歴がある
- 髪が細い、柔らかいなどダメージを受けやすい髪質
2ヶ月に1回ブリーチをし、今回がブリーチ4回目のモデル事例
Before 新生部3cm、既染部17Lv
新生部 ブリーチでリタッチ
全体 MMブリーチパウダー:2剤6%=1:3(トリートメントKPX使用)
複数回ブリーチ履歴が重なった中間~毛先でも、トリートメントKPXの効果でツヤとまとまりのある状態をキープ。
ケアブリーチにオススメの商品
トリートメントKPXはブリーチ・カラー・パーマの施術工程を利用して、補修成分を髪内部に浸透させ、施術しながらダメージを補修するプレックス系の処理剤トリートメントです。
ダメージした髪を骨組みから強化する補修成分活性ケラチン※2、ジカルボン酸※3、コルテックス補強成分※4を配合を配合。
施術によるダメージを防ぐだけでなく、元々の髪ダメージも補修し、弾力のあるしっかりした髪に整えます。
ブリーチ後のカラーの染まりを安定させる方法
ブリーチ後にオンカラーした際に、色味がうまく入らない、染まりが安定しないことはありませんか?
これはブリーチ中に含まれる過流酸塩やアルカリが残りやすく、下記のような影響があるためです。
- 過流酸塩が残ると・・・ オンカラー時に、染料が分解され発色が悪くなる
- アルカリが残ると・・・ オンカラー時に、ブリーチ力(リフト力)があがり色味が薄くなる
ブリーチ剤に含まれる過流酸塩やアルカリを残さないように、シャンプー時にしっかりと洗い流し、さらに残留成分を処理剤で除去してあげることで、次のカラーへの影響を抑えることができます。
ブリーチの過流酸塩やアルカリを除去する処理剤工程
- ブリーチ後にやさしくシャンプーし、しっかり水洗します(2回繰り返しがよい)
- 軽くタオルドライし、セ・トゥ プラスサンαの原液を塗布し、コーミングして水洗します
- 過流酸塩やアルカリの影響をしっかり抑え、セカンドカラーの施術へ