40代。ヘアだけ理想の自分になれていない
リクルートビューティ総研が調べた38歳から49歳までの女性に対するアンケートで、ちょっとショッキングな調査結果がありました。「自分自身の中でまだキレイになる余地があるところは?」という質問に対して、46.9%の女性が「髪」と答え、「体型」「メイク」「肌」「歯」などとかなり差がついて1位だったというものです。このデータは40代の女性の2人に1人が、まだ「自分のヘアスタイルに満足していない」という気持ちのあらわれとも言えます。
この5〜6年、ファッション界や、コスメ業界、フェイシャルやエステなどの業界は、40代にターゲットを狙い定め、有益な情報を提供し、商品や施術を紹介し、40代女性の「もっと美しくなりたい」気持ちをサポートしてきました。しかしヘア業界は、残念ながら40代の女性に対しての包括的なアプローチが遅れていると感じます。
集客用の美容サイトにしても、ヘアサロンのホームページにしても、40代女性向けのヘアスタイルビジュアルはほとんどありません(40代の女性ユーザーもすごく多いのに!)。また、美容雑誌でコスメの詳しい成分解説や、肌のたるみやシワが生まれる原因についての解説が詳しくされているなかで、ヘアページだけは今でも「ふわっと」「つやっと」などというイメージの言葉で語られています。なぜそのスタイルが実現できているのかの、論理的、技術的裏付けが解説されていないと感じます。
需要はあるのに、美容業界からの情報が発信されていない。とてももったいない状況になっています。「もっといいヘアスタイルに出会えるはず」「まだ私はいいヘアスタイルに出会えていない」と考える女性が2人に1人もいるのですから、もっと積極的に40代女性とコミュニケーションをとっていきたいものですね。
40代の女性というのは、「理由を知りたがる」世代とも言われています。私たち雑誌のライターも、40代向けの原稿は、できるだけ詳しく説得力のある解説をするようにと指導されています。この世代に美容業界からも、「キレイになるために大切な」プロの施術、プロ仕様の薬剤について、語っていく取り組みをしてもいいのではないでしょうか。
次号では、大人女性に対して、わかりやすい解説、目に見える情報を提供して成功しているサロンさんの例を紹介したいと思います。