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なぜ女性美容師に「応援」が必要なのか?

佐藤友美(元・増田ゆみ)の女性美容師がサロンをつよくする
日本初の女性美容師さんだけで作るヘアカタログを皮切りに、女性美容師特集、女性美容師限定セミナー、女性美容師応援企画などなど……。女性美容師の皆さんをフューチャーするさまざまなページやイベントに参加してきた私ですが、最近は冗談まじりにこんなこと言われます。

「ここのところ女性美容師企画ばかりで、えこひいきじゃないですか?」

「たまには、男性美容師も応援してください」

もちろん、私は、「良いデザイン」や「素敵な美容師さん」に男性も女性もないと思っています。美容師さんは「女性の美」を司る職業なので、「女性」であることはむしろ、男性よりもアドバンテージになるシーンも多いと感じます。

ただ、それでもやはり、私が女性美容師さんを応援する企画に積極的に関わるのには理由があります。それは「女性であることで、キャリアの形成が困難になるケースを見てきたから」ということに尽きます。

才能あふれ、やる気に満ちあふれていた女性美容師さんが、結婚や出産を機に、仕事を辞めなくてはいけなくなったシーンを何度も見てきました。ご本人が退職をのぞんでいる場合は別として、できれば美容師を続けたいと思っていた人の本願が叶わなかったことも多々ありました。

私の周りには、素敵な美容師さんがたっくさんいらっしゃいます。自分に厳しくお客さまのために最大限の努力をされている方ばかりです。それは男性も女性も同じです。

ただ、女性のほうが、やや「自分の努力だけではどうにもならない」ことの影響を受けやすいと感じます。

例えば、私たち夫婦には子どもが1人いますが、私は泊りがけの出張にいくたびに「今夜お子さんはどうされているのですか?」と質問されます。(もちろんそのお気遣い自体はとても嬉しいのですが)夫に聞いてみると、彼は過去の出張中にその質問をされたことは一度もないそうです。

私には「お子さんどうしているのですか?」と聞き、一方で夫にはその質問はない。この例ひとつとっただけでも、多くの人が「子どもの面倒は女性が見るもの」と考えていることがわかります。そして、注意をしていると、実はこういうシーンは世の中に多々あります。

女性だから影響を受ける「自分の努力だけではどうにもならないこと」に目を向け、それをみんなで共有して、どのように解決していけるかを美容業界の皆さんと一緒に考えていきたいな、と思います。

お客さまのために日々努力している美容師さんが(それは男性も女性も同様に)、せっかくついたこの素晴らしい職業から離脱せずにすむ業界になったら、それは、お客さまにとっても、経営者の方々にとっても、仲間達にとっても、そしてなにより本人にとって、とても幸せなことだなあと思います。

これから始まる連載でいろんな事例をご紹介したいと思いますので、どうぞお付き合いくださいませ!

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