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共感+@で差がつく 女性美容師は「感覚」を言葉にする訓練を

佐藤友美(元・増田ゆみ)の女性美容師とサロンの幸せ研究所
女性美容師さんの強みは、お客さまへの「共感力」と、よくいわれます。お客さまが言葉にできない気持ちをくみとってあげること。「なんとなくあんなイメージですよね?」「そうそう、そんな感じ」などという、男性からしてみると「???」の会話も、女性同士では成立するのがすごいところです。

『察しない男 説明しない女』(五百田達成・ディスカヴァー21)という本がベストセラーになっていますが、まさに女性は「察すること」が大得意。人の顔色や、雰囲気、ニュアンスなど、その人の要望を言わずとも察するのは、女性に長けた能力です。
女性美容師さんと話をすると「どうして男性は、お客さまの気持ちに気づかないんだろう。不思議で仕方ない」などと言う人がいます。ここでは長くなるので割愛しますが、女性が察することに長けているのは、昔からの慣習と脳の構造によります。
つまり、女性はもともと察することが得意な性として生まれついているのです。

ただ、この「察する」能力。すべてのシーンで手ばなしにいいとは言えません。なぜなら、感覚だけで仕事をしている女性美容師さんは、若いうちはいいのですが、そのうちあるライン以上の売上をあげられなくなる傾向があるからです。

前述した本の話ではありませんが、売れっ子の女性美容師さんは「察する」能力に加えて、誰にでもわかる言葉で「説明する」ことも上手です。業界誌やコンテストで活躍する女性美容師さんたちは、そのセンスや感性に注目が集まりがちですが、実はそのデザインを論理的に説明できる人たちばかりです。
論理的に説明できるということは、つまり行き当たりばったりでデザインを作っているわけではないということ。もっと言うと「再現性がある(毎回同じクオリティのデザインを提供できる)」ということにほかなりません。

私の周りには、スタッフ教育をするようになってから、売上がぐんと伸びた女性美容師さんがたくさんいます。
スタッフ教育に携わると、それまで自分が感覚的に使っていた言葉を、新人にも、男性スタッフにもきちんとわかるように説明しなくてはいけなくなります。その訓練が、それまで感覚的に仕事をしてきた女性美容師さんにとってもいい影響を与えます。人に説明することで、自分の感覚値が論理的に整理できるのです。技術も安定しますし、顧客の満足度も高くなります。

もし「自分は感覚的で仕事をしてしまっているなあ」と感じる女性美容師さんがいらしたら、ぜひ、その「感覚」や「センス」を、言葉で説明する訓練をしてみましょう。「私は●●がいいと思いますよ」だけではなく「なぜなら△△だからです」を付け足すのです。きっと、今まで以上にお客さまに支持されるはずです。

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