リアル口コミしか集客法がないのは幸せ?不幸?
昨年発売になった「女の運命は髪で変わる」の台湾講演を開いていただくことになり、なう、台北におります。600人の台湾の美容師さんが聞きに来てくださるそうなのですが、事前の打ち合わせで話題になったのが「日本と台湾の集客方法」について。
台湾では日本における集客サイトのようなサイトがないので「リアルな口コミ→Facebookのサロンページ→予約」という動線が一般的なのだそう。
それを日本の美容師さんに言うと、「へえ、台湾の集客方法は、リアル口コミだけなんですね〜」と言われることが多いそうです。
その言葉の裏には「リアル口コミだけだと、集客大変じゃない?」と言う気持ちもあるのかもしれませんし「やれやれ、日本はいろいろあって大変だよ」という意味合いも含まれているのかもしれません。
でも! ちょっと待ってください。
リアル口コミが大事なのは、日本も同じじゃないですか?
いや、確かに集客サイトは「毎月●人」というたくさんのお客さまを運んできてくれています。でも、そのお客さま「ほんとうに」集客サイトの中だけで、あなたのサロンを選んだのでしょうか。それを追跡調査したことはありますか?
友達がいいと言っていたから、取引先の人がおしゃれだったからサロン名を聞いて、雑誌で見かけたスタイルが素敵だったから、普段通る道沿いの看板が気になっていたから、ポスティングされていたチラシを見て検索したら集客サイトにあたったから……。
このような動機であっても、いまは集客サイトでネット予約したら、全部「集客サイトで集客できたお客さま」とみなされています。
たんに予約のシステムとして便利だから、集客サイトを「最後の最後に」使っただけというお客さまは、意外と多いものです。
あるサロンの方が、「某集客サイトでの新規集客が突然3分の1に減ってしまった。理由がわからない」とおっしゃったので、顧客動向の数字を見せてもらったことがあります。すると、なんのことはない。そのサロンは、先月から新しい予約システムを入れたので、そこに3分の2のお客様が流れただけの話でした。総新規客数はまったく変わっておらず、つまりそれは、集客サイトが集客をしていたわけではなく、単に予約システムとして使われていたというだけの話だったということにつながります。
もちろん、集客サイトでサロンを選ぶお客さまもたくさんいるでしょう。
でも、サイトを見ることになったきっかけは、「リアルな口コミ」であるケースも多々あるのです。
リアルな口コミの重要性は、よく言われることです。2015年のニールセンの調査によると、友人からの口コミを信用する人は83パーセント、一方で検索型連動広告を信頼する人の割合は47パーセント。人がどれほど、自分の友人からの情報を頼りにしているかがわかりますよね。
そして時代は一周回って、「広告」ではなく、いかに「友人に口コミしたくなるか」を考えていくのが、これからの集客のあり方だと言われています。つまり、既存顧客をスタートとして考える集客方法です。
次回は、その方法について詳しくお話していきます。