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【サロンのための美髪と経営コラム】サロンカラーよりホームカラーが傷むのは本当か

突然ですが!
お客さまから「自分で染めたら、傷みますか?」と聞かれたら、おそらく多くの方が「市販のヘアカラー剤って強いから、傷みますよ~」と回答されるかと思います。
でもこれって、本当にそうなのでしょうか?
そしてサロンカラーはダメージが少ないのでしょうか?
今回は、これらについて見ていきます。

INDEX

ホームカラーとサロンカラーに違いはあるのか?

現在ヘアカラーをされている方の約3割がホームカラー派で、年代では40代から増加し、60代以上ではおよそ2.5人に1人がホームカラー派と言われ、市販ヘアカラー剤は(2024年3月現在)平均価格が最も安い福島市は525円、最も高い熊本市でも746円と安価で人気となっています。総務省 小売物価統計

理美容業界には「市販のヘアカラー剤は傷む」という認識がありますが、寒色系や明るめカラーの流行でサロン用も脱色力が強いものが多く、市販品のほうが傷むとは言いにくくなっています。
また最近メンズの市販品には、市場ニーズの「ダメージへの不満・不安」に応えた中性域ヘアカラー剤が登場するなど、開発への挑戦や進化が続いています。

このように「ヘアカラー剤」だけを見れば、サロン用が優位とは言いにくい状況ですが、それでも、「ホームカラー」「サロンカラー」と総合的に考えた場合、サロン独自の技術によって、サロンカラーのほうが傷みにくいと言えるようになります。

それはまず、1剤や2剤の使い分けがあります。これは例えば、中間~毛先の既染部にアルカリが少ない1剤や オキシ濃度が低い2剤を使用することでダメージを抑える方法です。

そして、これ以外にもプロならではの技術が二つあります。
それが「事前処理」と「事後処理、特に除去」です。

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サロンカラーを「サロンだからできるカラー」に

ダメージケアとしては事後処理よりも、事前処理のほうが重要視されているかと思います。サロンさまとお話をしていても事後処理については、どうしても意識が低い傾向ですが、中には「事後処理の除去をやるようになって、ヘアカラー後の痒さがなくなったお客さんがいて、喜ばれた」というサロンさまもあり、その重要性は髪だけに限らないかと思います。

また先ほどの、1剤・2剤の使い分けと事前処理は、既染部に対する技術ですが、事後処理の除去は、新生部・既染部 関係なくヘアカラー剤を塗ったすべての髪へのケアなので、本来は使用頻度が高い技術です。

そこでここからは、サロンだからできる技術「事後処理の除去」について見ていきたいと思います。

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事後処理の重要性 ①アルカリの除去

ヘアカラー後に除去するものとは主に「アルカリ」と「過酸化水素」があります。

まず1剤に含まれるアルカリですが、これが残留することで「等電点に戻らない」「イオン結合が戻らない」「髪が引き締まらない」「キューティクルが閉まらない」などが起き、ダメージしやすい状態でお客さまをお帰しすることになります。

また「ランチオニン結合ができる(パーマ剤や矯正剤が効かない異常なSS結合ができる)」こともあり、ヘアカラーをくりかえした髪にパーマがかからない理由は、単にダメージが大きくなるからだけではなく、この結合ができることも関係しています。

このアルカリを抑えるものにはクエン酸などの酸成分を配合した処理剤がありますが、ここで重要なのは酸成分が入っていれば何でもOKではなく、バッファー作用(pHをとどめる作用)があるものを使用します。バッファー作用がないものは塗布後、一時的にpHが中性以下になりますが、またすぐにアルカリ性に戻ることがあります。

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事後処理の重要性 ②過酸化水素の除去

次は2剤に含まれる過酸化水素です。
この過酸化水素が残留すると「染料が壊れる」「メラニンやタンパク質が壊れる」「SS結合が減少する(システイン酸ができる)」などにつながります。

また、細毛や薄毛につながる「過酸化脂質ができやすくなる」ということもあります。
酸化によって皮脂が過酸化脂質に変化し、これが毛母細胞に悪影響を与え、細毛や薄毛につながることが報告されています。
これらは紫外線が多い季節は、さらに注意が必要です。

この過酸化水素を除去するものには、カタラーゼやポリフェノールなどがあります。
カタラーゼは分子量が大きく浸透しにくいですが、除去スピードが速いのが特長で、ポリフェノールは比較的 内部に浸透しやすく、また髪を引き締める効果もあります。

これらを選ぶ基準は例えば、カタラーゼ系は髪の表面的な作用で充分な、新生毛~ローダメージ毛に対して。ポリフェノール系は内部までの作用と引き締め効果により、新生毛~ハイダメージ毛までと、それぞれの特長から考えると良いかと思います。

アルカリと過酸化水素を同時に除去できるアイテム

マテリケア【オキシバッファー】(ポリフェノール系)

セ・トゥ【マイナスリー】(カタラーゼ系)

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わずかなひと手間で差をつける

はじめにホームカラーをされる方は40代から増加するということをお伝えしましたが、人口のうち40代以上が6割以上を占める現代で安定経営を行うためには、この世代の獲得はとても重要です。
この世代の多くの方は「白髪」「クセ・うねり」「ダメージ」に悩んでいますが、ホームカラーでもキレイに染まる今、「よりダメージを抑えながらキレイに染める」技術が不可欠となっています。
サロンだからできるヘアカラーで「やっぱりプロに染めてもらうと違う」と、多くのお客さまに喜んでいただきたいですね。

商品理論担当 桝田

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