【番外編】「髪の悩み解消」をコンセプトに月単価15,000円に至ったpicoroのこれまでとこれから
picoro(静岡県三島市)

スタッフ2名で平均単価15,000円を実現するピコロさまのストーリー番外編。「髪の悩み解消」というコンセプトに至るまでの経緯と、今後の展望についても教えていただきました。
SALON NAME_ picoro
OWNER_ 影山 智一
PLACE_ 静岡県三島市
スタッフ数_2名 セット面_2面
立地_郊外型/駅近郊
INDEX
- どれだけ気を遣っても、髪のダメージは進んでいく
- トリートメントをしない→失客要因・売上の限界という現実
- 「必要なトリートメントはさせてください」と全員にお願い
- 企業として無理なく続けられる仕事→単価15,000円
- マーケティング的発想から「縮毛矯正」にも注目
- 「めんどくさい」をどれだけ乗り越えられるか、が売上の違い
どれだけ気を遣っても、髪のダメージは進んでいく
髪の悩み解消をコンセプトにするに至ったきっかけとしては、独立して自分1人でお客さまゼロから始めた美容室が、1 年半で予約が 1 か月待ちになっても、月の売上は100万円程度だったことですね。
だからって、アシスタントを雇ってお客さまをどんどん回転させて売上を上げるというスタンスは、独立してからの髪を綺麗にしたいという想いと、「お客さまは全てマンツーマンでしか施術をしない」という私のルールから、選択肢には一切なくて。
でも、どれだけお客さまの髪に気をつかってはいても、薬事での施術を重ねていく度に、髪のダメージは進んでいくんです。
トリートメントをしない→失客要因・売上の限界という現実
独立後、お客さまが1人では抱えきれないほど増えた反面、1人での売上の限界や、将来性の不安もどこかで感じてしまい、「このまま美容師続けても面白くないな」と思うようになってしまいました。
カラーやパーマを続ければ髪は傷む。表面的にはお客さまを綺麗に見せていても、髪は傷んでいく。
必要なトリートメントを提案しても、お客さまが「今日は、トリートメントはしなくても大丈夫!」と言えば、さらに髪の傷みは進んでいくし。
それでお客さまが仕上がりに満足しないようになって失客しても、正直そんなのは美容師の責任でもなく…。売上も伸びない…。そんなことが当たり前のようになっている美容室経営の矛盾にぶつかりました。
「必要なトリートメントはさせてください」と全員にお願い
そこでまず、「サロンの全ての施術でお客さまに必要と感じるトリートメントは、必ず施術させていただく」というルールを創りました。
そして、お客さま全員に「1年先、5 年先、さらにその先も、今まで以上に髪をキレイにしていくために必要なトリートメントは、全てさせてください。」と伝えました。しかも、トリートメントをしたくないようであれば来店は控えていただくようにお願いしました。
実際にその時は、客数は半分に減ったけど、半年も経たずに売上は 1.5 倍になりました。そこから、さらに独自にケミカル知識や技術も深めていき、一時は自分1人で客単価4万・月間売上240万円の売上を維持していましたね。
客数が少なくなった分、1ヶ月の半分を休んでも大丈夫でした。それが、今の髪の悩みと向き合うというコンセプトに変わったきっかけです。
企業として無理なく続けられる仕事→単価15,000円
それでも美容師1人のサロンでは、「ケガや病気をしてしまえば営業がストップするというのは、企業的発想ではない」と感じることが増えました。
だから、今はもっとシンプルに、『ツヤ髪エステ』をベースにして、スタッフ 2 人で客単価 約1.5 万・月間売上200~250 万円が維持できるように仕事をしています。
このくらいの数字だと、集客や美容師1人1人の仕事的な負担も、無理なく経営を継続していけるかなと感じています。技術的にも、スタッフも同じように再現できています。
マーケティング的発想から「縮毛矯正」にも注目
最近の取り組みとして、「髪の悩み解消」に加えて「縮毛矯正」も集客ワードとしています。「縮毛矯正」は検索ワードとしても強く、また悩みが深いので、非常にマーケティング戦略に向いたワードなんですね。
でも、ここがミソなのですが、「縮毛矯正」で来店される方の 90%が「ほんとは、縮毛矯正はしたくない」 と分析しています。ただ、それしか髪のまとまりを良くできたり、クセを落ち着かせる解決策がないと思っているんです。
なので「縮毛矯正」で集客してはいても、実際にカウンセリングさせていただくとトリートメントに流れるお客さまも多いですね!
「めんどくさい」をどれだけ乗り越えられるか、が売上の違い
さいごに、世の中の1番の敵は「めんどくさい」です。カウンセリングでお客さまの希望以外のことを徹底して提案するって、意外と心の中では「めんどくさい」と感じる美容師は多いのかもしれません。
お客さまの希望をそのまま受け入れて施術する方が、美容師としては楽な部分も多いですからね。でも、そんな「めんどくさい」の感情をどれだけ乗り越えたかが、美容師の唯一の評価である売上の違いだと今は感じています。
たった 3 分。たった 3 分でもカウンセリングの際に、いつもよりお客さまと真剣に向き合って、「他の美容室よりもお金を払ってでもあなたにお願いしたい!」と言っていただけることが大切だと思います。
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