【ケミカルダメージ★豆知識】華麗なる猛獣(アルカリ・過酸化水素)使いになろう!
ヘアカラーにとってアルカリ・過酸化水素とは?
1剤に含まれるアルカリは、
- 髪を膨潤させてキューティクルを開く
- 1剤中の酸化染料を毛髪中に浸透させる
- 2剤の過酸化水素を分解し「酸素」を発生させる
という3つの役割をします。
発生した「酸素」は、『酸化染料を発色させる』+「髪のメラニン色素を脱色する」2つの働きをします。この2つの働きによって、ヘアカラーは、髪を明るくしながら染色することができます。

しかし、ヘアカラーが作用するのに必要なアルカリや過酸化水素も、過剰になると髪のダメージを引きおこす怖い(例えるなら猛獣のような‥)存在です。ですからその原因と対処法を知り、髪の状態に合わせて適切に使いこなすことが必要です。
アルカリによるヘアダメージとは!?
アルカリの「キューティクルを開く」という作用は、髪のpHを高くすることで髪の中の結合が切れ、膨らむことで起こります。この結合が切れている状態は髪が軟化しており、キューティクルは開いたままで髪がやわらかい状態なので、キューティクルが剥がれたり、隙間から内部成分が流れ出たりします。その結果、パサつきやザラツキなどが起こってしまいます。
アルカリを使いこなそう(アルカリコントロール)
ヘアカラーにおいてアルカリを使いこなす方法は、以下の通りです
【施術前】
アルカリでキューティクルが開きすぎたり、内部成分が流れ出すぎないように髪のコンディションを整えましょう。

【施術中】
髪の状態に合わせて、必要なアルカリの強さをもった1剤を選択しましょう。

【施術後】
反応が終わったら不必要なアルカリをしっかり除去しましょう。流れ出てしまった内部成分を補修し、開いたキューティクルを閉じましょう。

例えるなら、ドアを開いたら、ドアを閉める行為です。
過酸化水素によるヘアダメージとは?
過酸化水素は、施術中に「酸素」を発生することでメラニン色素を破壊します。同時にCMCやコルテックスなど髪の組織にもダメージを与えます。また、残留すると紫外線などの影響により活性酸素を発生させます。この活性酸素は、髪のメラニン色素を分解して髪を明るくしたり、染料を褪色させてしまう原因となります。さらに、頭皮では、毛穴から出た皮脂が酸化されて、過酸化脂質に変わり、頭皮の嫌な臭いや抜け毛・薄毛などの原因となります。
過酸化水素を使いこなそう(オキシコントロール)
ヘアカラーにおいて過酸化水素を使いこなす方法は、以下の通りです
【施術中】
過酸化水素は「ブリーチ」と「発色」の役割をします。求める仕上がりの状態に合わせて過酸化水素濃度を使い分けましょう。

【施術後】
髪や頭皮に残らないようにしっかりと除去しましょう。
髪だけでなく頭皮にも配慮しよう!
ヘアカラーが頭皮にしみる原因は?
ヘアカラーによって頭皮がしみる原因は様々ですが、大きく次の要因があげられます。
①頭皮が乾燥している
冬は肌の乾燥が気になる季節。肌と同じように頭皮も乾燥します。乾燥すると保護する役割をする「皮脂」が不足しやすく保護機能が弱くなります。そのため、ヘアカラーに含まれるアルカリや過酸化水素が地肌に浸透し、しみる原因となります。
②その日の体調不良による頭皮の荒れ
頭皮が荒れていれば、それは傷口がむき出しになっていると同じことです。傷口にヘアカラーが触れてしまえば、当然のように刺激になります。
※アレルギー反応がある方や、頭皮にキズやできものがある方へのヘアカラーはおやめください。
乾燥が原因で頭皮がしみないようにする対処法
頭皮が乾燥するとしみやすくなるので、しっかり頭皮を潤わせることが大切です。ヘアカラーの発色を妨げないよう油分を含まない保湿剤タイプを選びましょう。また、地肌にできるだけつけずにきれいに染めるテクニックを駆使するのも一つです。

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