【難易度MAXのホワイトシルバー事例も】シルバーカラー攻略テクニック
日本人特有の赤味の強い黒髪を無彩色なシルバーに仕上げるのはとても難しく、事前の準備や仕上がりの範囲の理解が必要です。
施術ポイントを含めながら、さまざまな事例をご紹介します!
INDEX
- シルバー系カラーの仕上がりは事前の明度によって大きく変わる
- ホワイトシルバー2事例
- アンダーのオレンジ味を濃さで抑えた、無彩色なグレイッシュシルバー
- ブリーチ無、できるだけ無彩色に近づけた事例
- 【ブリーチ】ダメージ抑制&補修で安定感のあるベースづくり
シルバー系カラーの仕上がりは事前の明度によって大きく変わる
無彩色なシルバーにしたいご要望は多いですが、事前の状態によって変わります。
- 16Lv以下・・・無彩色とはなりません。赤味を抑えたブラウン~グレージュ系の色味に。
- 16Lv程度・・・1ブリーチ程度の明るさであっても、無彩色にはなりません。透明感のあるグレージュ~シルバーを感じる色味に。
- 18Lv程度・・・このくらいでやっと無彩色感が出てきます。ただ、黄味が残ると、その分無彩色感・ホワイト感は不足しますので、補色で調整が必要です。
ホワイトシルバーの仕上がりをウィッグで検証してみました
16Lvと18Lvのブリーチ毛に、ホワイトシルバーを狙ってカラーリングしてみました。
ホワイトシルバーに仕上げるにはベースを18Lv程度に整える必要があり、べースの明るさが足りないとグレージュに仕上がっているのがわかります。
では18Lvまで明るくできなかったら、どうすればいいのか?
ホワイトシルバーにはできませんが、無彩色に近づけるための、明るさ別のケーススタディをご紹介してますので、各事例からご覧ください!
Color
イロリドI-9SG : I-9BV : トリートメントティントClear=3 : 1 : 4(2剤2%)(SG:スモーキ―グレイ、BV:ブルーバイオレット)
※灰色をベースに補色の紫と淡さを出すクリアをMixしています。
ホワイトシルバー2事例
【18Lvハイブリーチ毛】ホワイトシルバー事例
Before
18Lv ※ブリーチを繰り返している方のため、黄味が抜けてます
Color
イロリドI-9SG : I-9BV :トリートメントティント Clear=3 : 1 : 4(2剤2%)
(SG:スモーキ―グレイ、BV:ブルーバイオレット)
ポイント
- 事前状態が18Lvは必須。黄味が強く残ると、この無彩色感は出ません。
- ダメージ毛なので、オンカラー時の事前事後処理は大切です。(カラー施術時にトリートメントKPXを使用しました)
【2回ブリーチ後オンカラー】くすみ感のあるホワイトシルバー事例
Before
18Lv ※ブリーチ2回(1回目で放置時間や塗布量を多くしてしっかりリフトアップ)
Color
イロリドI-9Si : I-9BV : I-9Gr :トリートメントティントClear=2 : 3 : 2 : 7(2剤2%)
(Si:シルバー、BV:ブルーバイオレット、Gr:グレージュ)
ポイント
- 黒髪からブリーチ2回目でしっかりリフトアップ
- オンカラーではベースとなるシルバー色に黄味を抑えるBV(ブルーバイオレット)とニュアンスでくすみ感を出すためにGr(グレージュ)を組み合わせ、色味:Clear=1:1になるようにMix。
- 黄味が少ないベースの方は紫味が強く出ますので、BVの比率を少なめに調整してください。
アンダーのオレンジ味を濃さで抑えた、無彩色なグレイッシュシルバー
【2ブリーチで16Lvまでしか明るくならなかったケース】濃いめグレイッシュシルバーで無彩色に
Before
10Lvから2回ブリーチ
赤味の強い・硬毛の方で、2回ブリーチしても16Lv程度で着地
Color
イロリドI-7Si : I-9BV=3 : 1(2剤2%)
(Si:シルバー、BV:ブルーバイオレット)
ポイント
- ブリーチを2回行っても、オレンジ味の残るアンダーで着地
- ホワイトシルバーにはできない。無彩色感を優先するならば濃いグレイッシュシルバーに(淡さを出すとグレージュっぽく仕上がります。
- 褪色はグレージュに向かっていく。しばらくすると緑味が出てくるため、パープルのカラーシャンプーでのケアがおススメ
褪色の経過の参考です
オンカラー3週間後からカラーシャンプーを使用していただきました
【1ブリーチで14Lv程度】濃いめのグレイッシュシルバー
Before
14 Lv
Color
イロリドI-5Si:I-9A= 1: 1 (2剤 4%)
(Si:シルバー、A:アッシュ)
ポイント
- 青味のあるグレイ。
- もう少し濃さのあるグレイにしたい場合はI-9AをI-7A、2剤 2%をお使いください。
- 黄色っぽさが気になる髪質の場合、補色はAよりもBVがオススメです。
【1ブリーチで15~16Lv程度】単品9Lvで透明感のあるシルバー系カラー
Before
全体15~16Lv
Color
イロリドI-9Si(シルバー)(2剤2%)
ポイント
- イロリド9Lvシルバーの単色のワンメイク
- 配合された青味がハイトーンベースのオレンジ味を打ち消して、無彩色系の色味に仕上がる
- 色味の濃さを活かす2%2剤を使用
ブリーチ無、できるだけ無彩色に近づけた事例
【Before 12Lv】無彩色感を強調したダークグレイ
Before
11~12Lv
レシピ
イロリドI-5Si:I-5BV:トリートメントティントBlue=4:1:1 (2剤4%)
(Si:シルバー、BV:ブルーバイオレット)
ポイント
- 5Lvのシルバーに、オレンジ味を抑えるための補色であるバイオレットとブルーをしっかりと入れたダークグレイ。
- 暗髪ながらも重くないクールな無彩色系はメンズにも人気。
【Before 10Lv】シルバーグレイ
Before
10Lv
Color
イロリドI-5Si(シルバー)(2剤 4%)
Point
- 5Lvシルバーなら、単品で、アンダーを整えながら暗くならないけどグレイ味を出してくれます。
- 4%でメラニンを削りながら色味をしっかり入れています。毛先ダメージが気になる方は、毛先のオキシを2%にして塗り分けをすると沈みを防げます。
【Before 12Lv】透け感グレージュシルバー
Before
12Lv
レシピ
新生部:イロリドSi(シルバー)7Lv:9Lv=1:1(2剤4%)
既染部:イロリドSi(シルバー)13Lv:9Lv=1:1(2剤6%)
ポイント
- 茶味は残るが、褪色した黄~オレンジ味を抑え透け感のある色味に
- 2剤は既染部は暗くならないように6%、新生部は明るくなりすぎない4%を使用
【ブリーチ】ダメージ抑制&補修で安定感のあるベースづくり
無彩色なシルバーに仕上げるのに必要になってくるブリーチ。しっかりベースのメラニンを抜くことと、髪のダメージを極力抑えること、が大切です。
「トリートメントKPX」を組合せてブリーチを行うと、ダメージ抑制だけでなく内側から髪を補強することができます。
事前処理としてKPX1を使用
KPX1と水を1:2で希釈してアプリケーターに入れ、中間~毛先にまんべんなく塗布してコーミング。
ブリーチ施術
ブリーチパウダー:ヘアカラー2剤6%=1:3の比率で混合し、頭皮に付かないように塗布。希望の明るさに合わせて5~30分放置後に薬剤を完全にすすぎ流したあと、シャンプーで洗い流します。

仕上げのトリートメントとしてKPX2を使用
毛先を中心に丁寧にもみ込み、3~5分放置してお流し。
トリートメントKPXの使用量の目安

ブリーチパウダー・トリートメントKPXについて詳しくはコチラから