【残留ティントへの移行のケースも】明るい白髪染め対応マニュアル
白髪はしっかり染めるよりも、伸びたときにも白髪が目立ちにくく、透明感のある明るめに染めたいという方が増えてきています。 明るい白髪染めは事前の明るさや白髪率などで対応方法が変わってきます。 明るい白髪染めオススメの薬剤 ヒカリナスを使った明るい白髪染め事例(ブリーチやハイライト無し) 残留がある方の明るい白髪染めへの移行方法 ハイライトを使用した方法 などをご紹介しますので参考にしてください! INDEX 明るい白髪染めの薬剤 ネイチャーディープカラーシリーズではヒカリナスがオススメ ヒカリナスNBe(ナチュラルベージュ)の染まり 【事例紹介】ヒカリナスを使った明るい白髪染め 白髪率30% 既染部9Lvの方 白髪率50~80%、既染部9~12Lvの方 白髪率30~50% 既染部11~12Lvの方 白髪率10%以下 既染部9~10Lvの方 白髪率10%以下 新生部4㎝ 既染部10Lvの方 白髪率30% ハイライト履歴のある方 暗く染めてきた方を明るい白髪染めに移行するには? 明るい白髪染めへの移行期の新生部の薬剤選定 明るい白髪染めへの移行期の既染部の薬剤選定 【事例紹介】8Lv から10~11Lvまで徐々に明るく 残留ティントが多い場合、ハイライトを少し組み合わせる方法も 13Lvの薬剤でハイライトした事例 顔回りと頭頂部だけのブリーチハイライト事例 ご新規ハイライト比率80%のカラーリスト直伝!白髪ぼかし術 明るい白髪染めの薬剤選定 ネイチャーディープカラーシリーズではヒカリナスがオススメ ヒカリナスはベージュベースの色味で白髪がなじみやすく、白髪の染まりと明るさのバランスが良いカラー剤です。11Lvまでラインナップがあり、明るい白髪染めに対応できます。 イロリドのNやGrも白髪染め対応に可能ですが、7Lvで白髪になじむ染まりになります。 ▲上に戻る ヒカリナスNBe(ナチュラルベージュ)の染まり ナチュラルベージュはヒカリナスの中で一番、白髪のなじみが良い色味です。 黒髪部分も併せて明るくするには11Lvの薬剤が最適ですが、白髪にはなじむ程度の仕上がりになります。白髪が多い部分には9Lvを用いることで、白髪のなじみ具合を調整していきましょう。 ▲上に戻る ヒカリナスを使った明るい白髪染め事例 白髪率30% ファッションカラー履歴全体9Lvの方 ファッションカラーで染めるよりも白髪のなじみが〇 Color ヒカリナス H-NBe11(2剤6%) ▲上に戻る 白髪率50~80%、既染部9~12Lvの方 表面の白髪が多い方は、表面と内側の塗分けを! Before 白髪率 表面が白髪多め:70-80% 内側:50% 新生部: 2.5cm 既染部:表面11~12Lvの明るさ(残留少)、内側9~10Lv程度(残留あり) Color 表面 H-NBe9:H-PBe9=1:5%( 2剤6%) ※黄味をカバーするためピンクを配合 内側 H-NBe9:H-NBe11=1:1( 2剤6%) ▲上に戻る 白髪率30~50% 既染部11~12Lvの方 部分的に白髪の多い方は、先塗りでカバーしてから全体に色をかぶせます Before 白髪率 フロント~トップ・耳後ろが白髪多め:40~50% その他:30% 新生部:1.5㎝ 既染部:残留が少なく、11~12Lvの明るさがある Color 新生部+白髪の多いところ H-NBe7:H-NBe9=1:1( 2剤6%) 全体 H-PBe9:H-PBe11=1:1( 2剤6%) ▲上に戻る 白髪率10%以下 既染部9~10Lvの方 新生部から毛先まで明度差のある方ですが、全体的にダメージ感を抑えながら透明感が出せました。 Color 新生部~中間 H-ABe11(2剤6%) 既染部 H-ABe11(2剤2%) 新生部から中間まで塗布、その後既染部を塗布。 ▲上に戻る 白髪率10%以下 新生部4㎝ 既染部10Lvの方 ヒカリナス11Lvで白髪もなじみ、既染部もキレイにつながりました。 Color 新生部 H-NBe11(2剤6%) 既染部 H-NBe11(2剤2%) ▲上に戻る 白髪率30% ハイライト履歴のある方 新生部放置後、毛先まで伸ばすことで、簡単にキレイな白髪ぼかしができました。 Color H-MBe11(2剤6%) ▲上に戻る 暗く染めてきた方を明るい白髪染めに移行するには? グレイカラーで染めてきたなど、残留ティントが残っていると、既染部の明るさ以上に仕上げることができません。 残留を無くしていくには①ブリーチをする ②残留がなくなるまで待つ のいずれかが必要です。 残留がなくなるまで徐々に明るく移行 まず、髪の長さがある場合は大変時間がかかるので、できる範囲で短くカットしていただくことがオススメです。 その上で染めるごとに、新生部と既染部で下記のように対応します。 ▲上に戻る 明るい白髪染めへの移行期の新生部の薬剤選定 既染部の仕上がり明度と同じ~1Lv程度暗い仕上がりになるように選定します。 残留ティントをできるだけ抑えるために、ヒカリナスの9Lv以上とイロリドで調整する場合の参考のLv別の薬剤調整は下記の図になります。 ▲上に戻る 明るい白髪染めへの移行期の既染部の薬剤選定 残留ティントを徐々に減らしていけるように染めていきます。 ①ClearをMix:ダメージを抑えトーンキープしながら染める ファッションカラー9Lvの薬剤を基本に、クリア剤1:1~1:3をMixすることでトーンキープします。(クリア剤を使用しないとトーンダウンします)。2剤は2%を使用します。 ②13Lvを使用:1回で少しでもトーンアップする ファッションカラー13Lvの薬剤で2剤6%を使用すると、1Lvほどトーンアップできます。ダメージはその分大きくなりますので、髪のコンディションによって選択してください。 ▲上に戻る 【事例紹介】8Lv から10~11Lvまで徐々に明るく 移行期1回目(既染部8Lv) 既染部はファッションカラー+クリアで染めて残留ティントを減らしていく+新生部は既染部に合わせ8Lv程度 Color 新生部 ヒカリナスH-ABe9:イロリドI-7Gr = 3:1(2剤6%) 既染部 イロリドI-9Gr:トリートメントティントClear = 1:2(2剤2%) (2ヶ月後)移行期2回目(既染部9Lv) 既染部はさらにクリアを多く+新生部は既染部に合わせ9Lv程度 Color 新生部 ヒカリナスH-ABe9:イロリドI-9Gr = 3:1(2剤6%) 既染部 イロリドI-9Gr:トリートメントティントClear = 1:3(2剤2%) (さらに2ヶ月後)移行期3回目(既染部10Lv) 全体をヒカリナス11Lで染めて、明るい白髪染めに Color 全体 ヒカリナスH-NBe11(2剤6%) ※ナチュラルベージュでなじみを良く。新生部を塗布して20分放置後、コームアップしてから薄めに既染部を塗布して10分放置(既染部のトーンによっては、薬剤を塗布せずにコームスルーのみにしてください) ▲上に戻る 残留ティントが多い場合、ハイライトを少し組み合わせる方法も 少しハイライトを組み合わせると、残留がある既染部も明るく見せることができます。 ダメージを抑えながら行う方法として、13Lvのファッションカラーを使ったハイライトや、ブリーチハイライトを部分的に入れる方法があります。 13Lvの薬剤でハイライトした事例 13Lvハイライト事例① Before 白髪率30% (フロント部40%)(新生部2㎝) 、全体8~9Lv(前回グレイカラー7Lvで新生部を染めた) Color 新生部 ヒカリナスH-NBe9:ヒカリナスH-NBe7 =1:1(2剤6%) ハイライト イロリドI-13N(2剤6%) ※カットに合わせ髪の落ちる位置と毛流れを考慮して、重なりすぎないようにチップ(毛束)を拾うようにウィービングを入れていきます。 (サイド:ホイル4枚づつ(左右)、バック:ホイル7枚、チップ幅×深さ約5~7mm、チップとチップの間隔約15mm~20mm) ポイント 白髪ぼかしへの移行期として、新生部はヒカリナスのみでリタッチし、既染部には色を載せずハイライトで明るくみせる施術を選択。 ブリーチを使用したハイライトだと、ダメージが気になり、しかも明るくなりすぎて既染部となじみが悪くなってしまうので、既染部の表面~中段をメインにイロリドのI-13Nでウィービングを入れ、全体を明るめに。 パート付近1cm内側より下から毛流れによって自然に落ちる位置に入れ、明るい毛束が重ならないよう施術。 13Lvハイライト事例② Before 白髪率30% (新生部2㎝) 、全体10~11Lv ※硬髪・多毛 Color 新生部 ヒカリナスH-MBe7:ヒカリナスH-ABe9:ヒカリナスH-LiftBe=2:1:1(2剤6%) 既染部 イロリドI-9A:イロリドI-9M=1:1(2剤4%) ハイライト イロリドI-13BV (2剤6%) ※表面と顔周りの両サイドに各5パネル程(合計20枚)ハイライトを行い、それ以外の箇所を根元、毛先のカラーそれぞれを塗布した1プロセス施術。ハイライトは 5 ㎜スライスのウィービング(筋っぽく見えないギリギリの太さで設定)。 ポイント 硬毛で染まりにくい髪質のため、根元はヒカリナスのみ。 既染部はイロリドのみで対応。赤味を打ち消すAとMをMixして使用。 13LvのBVを使用してハイライトを入れて全体を明るくして、白髪と黒髪がなじむ色味に。(埼玉県 Salon de Coupez 安西さま)Instagramのページはコチラ ▲上に戻る ブリーチハイライトを行った事例 顔回りと頭頂部だけのブリーチハイライト事例 Before 白髪率50~70%(新生部2㎝) 9~10Lv ※硬毛、残留ティント多い Color Step1 ハイライト MMブリーチパウダー(2剤6% 3倍) ※スライス幅5mm、チップ5mmのウィービング。ホイル箇所は、顔回り 左右各3枚、頭頂部 左右各2枚。 Step2 カラー 新生部 ヒカリナスH-NBe7:イロリドI-7Gr:ヒカリナスH-LiftBe=2:1:1(2剤6%) 既染部 ヒカリナスH-NBe9:イロリドI-9Gr=1:1(2剤4%) ポイント 過去の白髪染め残留ティントが多く、ブリーチハイライトに。残留を1回で全部消さず、今後ゆっくり除去する予定。 ハイライトは頭頂部と顔回りのみに入れ、根元の白髪が伸びてきたときに、ぼやけるようにしています。 地毛の赤味が少ない方で、アッシュ系すぎると顔色がくすみがちなので、ヒカリナスはNBe、イロリドはGrを選択。 白髪染め残留ティントを少し削る目的で、既染部の2剤は4%を選択しています。(埼玉県 Salon de Coupez 安西さま)Instagramのページはコチラ ▲上に戻る ご新規ハイライト比率80%のカラーリスト直伝!白髪ぼかし術 ご新規ハイライト比率80%のカラーリスト、anjiの野田 果林さんの「白髪ぼかしハイライト」術を大公開! 白髪比率に合わせた薬剤選定やハイライトの入れ方の注意点などを、実際にモデルさんの施術をしながら詳しく解説いただきました! 野田 果林(ノダ カリン)氏 Color Manager/ Makeup @karin_anji_colorist @anji_hair_salon Londonダニエルギャルビンにて研修を経験しハイライトがブレンドされたヘアカラーの美しさに魅了される。2012年渡米。NYでサロンワークを経験。各国で学んだ知識と感性をもとに一人ひとりのムードに似合うヘアカラーを提案。 anjiではYouTubeチャンネル『大人のヘアカラーの教科書【ハイライトへアカラー】anji』を立ち上げ、ハイライトヘアカラーの魅力を全国的に発信中。 Before 1ヶ月前にも白髪ぼかしハイライト実施。中間約3cmが明るくなっている。その下にこれまでの施術(白髪染め)の色素が残っていて少し暗く見える部分がある。 顔まわりと表面は白髪比率30%、ハチ下は白髪比率10% Color Step1 ハイライト 根元~中間 ブリーチパウダー:OX4%=1:2(リフト弱め) 中間~毛先 ブリーチパウダー:OX6%=1:2(リフト強め) Step2 リタッチカラー ハチ上(白髪率30%) ヒカリナスH-ABe9:ヒカリナスH-ABe7=1:1(2剤6%) ハチ下(白髪率10%) ヒカリナスH-ABe9:ヒカリナスH-ABe7=4:1(2剤6%) Step3 トナーオン ヒカリナスH-NBe9:トリートメントティントClear=1:6 (2剤2%) YouTubeはコチラから ▲上に戻る