明度差のある髪のブラウン補正テクニック
ヘアカラーを行う上で、『ムラのない仕上がり』は重要なポイント。 しかし、髪のコンディションが違うと、色味の出方はどうしても違ってきます。 特にブリーチや縮毛履歴・毛先や髪の表面のダメージなど・・・ 明度差がある髪は、全体を同じ色味で塗布しても均一な仕上がりにはならないことが想像できます。 そこで、明るくなった部分にブラウン系の色味を足して、全体のトーンを均一に仕上げるテクニックをご紹介します。 INDEX ブラウン補正(ブラウンコントロール)とは? 毛先ダメージ事例 中間と毛先のトーン差が3Lvの髪を均一なピンクに ブリーチ履歴有×ブリーチ無で対応する事例 ブリーチ履歴のある3層に分かれた髪を均一なシルバーブラウンに ハイトーンをお休みしてナチュラルなグレージュに ホームカラー履歴の事例 新生部・ホームカラー・縮毛履歴の難関ベースを均一なブラウンに 均一な仕上がりのため、ダメージの大きい部分には処理剤を ブラウン補正(ブラウンコントロール)とは? ブラウン補正(ブラウンコントロール)とは、ヘアカラーにおける「明度」を調整する技術で、明度差のある髪や、トーンダウンをしたいときに活用します。 10Lv以上になってくると髪のブラウンの要素がなくなってきます。 全体が明るい(明度差が少ない)場合のヘアカラーはムラにはなりにくいですが、明度差が大きい場合は均一に染めることはとても難しくなってきます。 そこで、明るくなった部分に、ブラウンの色素を加えて(ブラウンの色味をMixし)、全体の明度を近づけていきます。 ブラウンによる補正は、補色とは違って明度を下げることができるという点がポイントで、ムラの防止だけでなく、明るくなった部分が早く色抜けしてしまうことへの対策にもなります。 ▲上に戻る 毛先ダメージ事例 中間と毛先のトーン差が3Lvある髪を均一なピンクに Before 新生部3㎝、既染部(中間まで)10Lv、既染部(中間~毛先)13Lv Order 「自然な明るさのピンクにしたい」「ピンクの色味はできるだけはっきりわかるようにしたい(色味重視)」 Point 7~9Lvのピンクを濃く入れるレシピに。毛先ダメージで中間よりも3Lvほど明るく黄味が強いので、同じ色味を塗布すると毛先だけオレンジに仕上がり、色抜けも早いことが想定されるため、中間~毛先の明るくなった部分にブラウンを25%Mixして対応。 Color 新生部~中間 I-9CR:I-9P:I-7P=1:1:1(2剤6%) 中間~毛先 I-9CR:I-9P:I-7P:I-9N=1:1:1:1(2剤2%) CMCとPPTの処理剤をしっかり塗布してから毛先を先に塗布。 →新生部~中間の薬剤を根元1~2㎝をさけて以外の部分に塗布して15分放置 →根元1~2㎝を塗布して10分放置 ▲上に戻る ブリーチ履歴有×ブリーチ無で対応する事例 ブリーチ履歴のある3層に分かれた髪を均一なシルバーブラウンに Before 新生部3㎝、既染部(中間まで)10Lv、既染部(中間~毛先)ブリーチ履歴14Lv Order 「暗くなりすぎずにできるだけ透明感のある色味」で、「オレンジ味はおさえたい」 ブリーチは以前はしていたが、今後はしたくない。 Point 寒色がご希望なので、Si(シルバー)をベースカラーとしてチョイス。赤味が強い髪だが毛先のブリーチ履歴部分は14Lv程度で、明度差で3層になっている状態。 新生部と中間もレシピを分けて、それぞれの赤味に合わせたレシピに。毛先は赤味が少なく色抜けがしやすい状態なので、ブラウンを30~40%Mixして明度差をカバーしていきます。 Color 新生部 I-9A:Blue=5:1(2剤6%) 中間(10Lv部分) I-9Si:I-13A=1:1(2剤6%) 毛先(14Lv部分) I-9Si:I-13A:I-9N=1:1:1(2剤2%) CMCとPPTの処理剤をしっかり塗布してから毛先の14Lv部分を先に塗布。 →中間の10Lv部分を塗布して10分放置 →新生部を塗布して15分放置 ▲上に戻る ハイトーンをお休みしてナチュラルなグレージュに Before 根元〜中間:5〜8Lv、赤みが強く出やすい 中間〜毛先:10Lv、黄色っぽく、残留もある(ブリーチ履歴あり) 襟足のインナーブリーチ:15Lv、残留あり Order 「今より明るさを抑えたグレージュ」。さらに「艶と透明感もほしい!」。ブリーチはお休みしていきたい。 Point 根元~中間は新生部をしっかりトーンアップさせながらオレンジ味を軽減するためマットをMix。中間〜毛先はトーンダウンするためにN(ナチュラル)を10%追加。インナーブリーチ履歴の部分は、デザインのアクセントとして表面との明度差は維持しつつ、薄めのN(ナチュラル)を半量ほど追加してトーンを少し落ち着かせます。 ベースカラーは表面は髪の赤味があるのでSG(スモーキーグレー)をチョイスし、インナーブリーチ部分はGr(グレージュ)に。 Color 根元〜中間 I-7SG:I-7M = 1:10%(2剤6%) 中間〜毛先 I-7SG:I-7N = 1:10%(2剤4%) 襟足のインナーブリーチ I-9Gr:I-13N = 1:1(2剤6% 粘性調整で1.5倍使用) ▲上に戻る ホームカラー履歴の事例 新生部・ホームカラー・縮毛履歴の難関ベースを均一なブラウンに Before 根元~中間:新生部とホームカラー履歴があり(1.5カ月前) 中間~毛先:ホームカラー+縮毛矯正履歴あり(3~4か月) Order 全体が色が抜けてオレンジっぽく、根元の黒毛も目立ってきた。できるだけキレイに染めたい。 Point ホームカラーだけでなく縮毛履歴も重なり、ムラになりやすいベース。全体にN(ナチュラル)を使った安全なレシピに。毛先の黄味に対する補色はバイオレット系だと青味で沈みやすくなるため、ピンクを使用。 新生部のリフトから毛先のトーンダウンまで、全体の明度があってくるかのチェックを入れながら微調整していきます。 Color 新生部~中間 I-9N(2剤6%) 中間~毛先 I-7N:I-9P=3:1(2剤2%) →チェック時に新生部のリフトが不足していたので、ライトナー(2剤6%)を追い塗りして調整。 →新生部の追い塗り後のチェックで中間の表面部分で少し濃さが足りない印象。I-7N(2剤2%)を追い塗りして調整。 ▲上に戻る 均一な仕上がりのため、ダメージの大きい部分には処理剤を ダメージ部分は薬剤が反応しやすくなりますので、ヘアカラーだと吸い込みで色が沈みやすくなります。 明度のコントロールだけでなく、処理剤の使用をあわせて行っていただくことで、薬剤が均一に浸透しやすくなり、ダメージリスクを減らすことができます。 ダメージレベルが中程度までならCMC配合の処理剤。ダメージレベルが高い場合はPPT配合の処理剤もあわせて使用することをおススメします。 薬剤の効果を引き出し、ダメージを防ぐ処理剤“マテリケア” ※1 CMC類似成分:フィトステロールズ、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル(全てエモリエント成分) ※2 高分子ケラチン:ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン(羊毛)(毛髪保護成分) ▲上に戻る





















































